粉体塗装事業

粉体塗装の仕組み

粉体塗装とはその名の通り、粉末状の粒子を塗料として用いる塗装方法です。粉体塗料は成分中に有機溶剤を含まず、塗膜形成成分のみにて配合されているため、環境汚染の要因であるVOC(揮発性有機化合物)の放出がなく、あらゆる生態系と環境にやさしい塗料です。専用装置を用いアースされた塗装物に静電気により付着させます。そしてオーブンに入れ、150~200℃で加熱します。加熱された粉体粒子は徐々に溶解され平滑化された後に硬化し、塗膜を形成します。こうして形成された塗膜は強度、耐チッピング性及び防錆に優れ、製品の寿命が格段に向上します。またコイルスプリングや板バネなどにも採用されている様に弾性も合わせ持っており、塗膜が割れにくいという特徴があります。

粉体塗装の特徴

① 環境に優しい/粉体塗料は無溶剤なので、環境に優しい材料です。
② リサイクル性/塗料が粉状なので、回収性がよく再利用出来るので、無駄が少ない。
③ 耐久性に優れる/粉体塗料塗膜が厚く、焼付処理されるので、溶剤系塗料と比べると耐久性に優れている。
④ 作業効率が良い/粉体静電塗装は塗料の噴出量が溶剤塗料に比べ、はるかに多い為、作業効率の向上が可能です。

塗装方法

スプレーガンの先端にある電極に高電圧がかけられ、ガンと塗装物との間に電界が発生します。
同時にガンから吐出された粉体粒子がこの電界内を通過する時に帯電し、アースされた塗装物に付着します。

塗装方法

【静電塗装】
粉体塗料に静電気を帯びさせて、被塗装物表面に付着させる方法。
電気的に静電気を起こすものを「コロナ式」と呼び、
粉体の摩擦により静電気を起こすものを「トリボ式」と言う。

静電塗装

【流動浸漬塗装】
被塗装物を加熱し、流動状になった粉体塗料の中に浸漬させて塗装する方法。

流動浸漬塗装

取り扱い塗装工法

エポキシ塗装

【特長】
金属への密着力に優れ、耐薬品性、電気絶縁性、耐水性にも優れております。長期間の耐腐食用途に特に用いられます。
【用途】
モーター、パイプ、電気絶縁部品、バルブ、装飾品など

ナイロン塗装

【特長】
優れた性能とバランスのとれた特性を持つ結晶性の熱可塑性樹脂です。金属塗装用粉体材料の中でも多目的な用途を持っています。
無毒性で食品機械や医療器具に多くの実績があります。

【特性】
耐候性:紫外線に強く、屋外での使用に的しています。食品衛生:食品衛生試験に合格しています。エタノールでの洗浄も可能です。
耐摩擦:低摩擦係数で、耐摩耗性に優れています。
耐海水性:海水での腐食に強く、各種カバー関係に使われています。
耐衝撃性:鋼球落下試験(Φ25mm、2kg 高さ50cm)で剥離がありません。
絶縁性:厚さ0.4mmにおいて30kv/mmまで耐えます。

【用途】
ハンドル、ステー、カバー関係、ショーケース、バルブ、ポンプ部品、装飾など

ポリエステル塗装

【特長】
塗膜が平滑性に優れ、高級美粧仕上げに最適です。
3分艶~艶有りまで、塗膜の平滑性を損なわずに光沢の調整が可能です。
抗菌タイプもあります。

【用途】
エクステリア関係:フェンス、バルコニー、カーポートなど・鋼製家具関係:パイプ椅子、ロッカー、ベッドフレームなど
電気機器関係:エアコン、照明機器、自動販売機、電話機など
道路用品関係:交通標識用ポール、駐輪機、信号機など
工業用機器関係:消火器(外面)、ガスメーター、配電盤、ダクトなど
産業用機器関係:農機具、チェーンブロック

エポキシポリエステル塗装

【特長】
薄膜でも美しい仕上がりが得られます。
焼き付け幅が広く、焼き付け時の黄変がほとんどありません。
3分艶~艶有りまで、塗膜の平滑性を損なわずに光沢の調整が可能です。
抗菌タイプもあります。

【用途】
鋼製家具関係:事務機器(ロッカー、キャビネットなど)、厨房機器、ベッドフレームなど
工業用機器関係:計器ボックス、工業用ミシン、工業用ファンなど
電気機器関係:証明機器、ケーブルラックなど・建築資材関係:スチール製仕切など